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川島 寿人; 佐藤 正泰; 都筑 和泰; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 谷 孝志; 井戸 毅; 伊世井 宣明; 小川 俊英; 上原 和也; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 76(6), p.585 - 592, 2000/06
JFT-2Mではフェライト鋼板(FB)をトロイダルコイルと真空容器の間に設置し、リップル低減化試験を実施している。磁場構造の計算及び磁気プローブ計測から、FB装着でリップル率が2.2%から1.1%に減少したことが実証された。高速イオンの損失を評価するため赤外線カメラで第一壁の温度を測定した。FB装着後、リップル捕捉損失領域の温度上昇は75から50に減少した。温度変化を熱負荷に換算すると、リップル捕捉損失パワーが半減したことがわかった。さらにプラズマ電流、トロイダル磁場、プラズマ位置を変化させ、リップル捕捉損失の安全係数、リップル率の依存性を調べ理論と矛盾しない結果を得た。そのほか、閉じ込めへの影響として、FB装着後Hモード中のトロイダル方向プラズマ回転が周辺で約2倍に速くなるなど良好な結果がもたらされた。
木村 晴行; 川島 寿人; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 三浦 幸俊; 伊世井 宣明; 井戸 毅*; 小川 俊英; 上原 和也; JFT-2Mグループ
JAERI-Conf 2000-004, p.77 - 80, 2000/03
JFT-2Mにおける先進材料プラズマ試験の一環であるフェライト鋼板(FB)設置によるトロイダル磁場リップル低減実験の成果を発表する。FBは基本モードと2倍モードの両方の磁場リップルを減少するよう最適化されている。FB装着後、磁場リップルが約50%に減少したことを磁気プローブの測定により確認した。これに伴い高速イオンのリップル損失(リップル捕捉(RT)損失、バナナドリフト(BD)損失)も減少した(RT損失はFB設置前の約50%に減少)。プラズマ電流とトロイダル磁場の値を変えることによりFB設置後のリップル損失の安全係数やリップル率依存性を調べ、RT損失は安全係数やリップル率の増加に伴い増加するが、BD損失は逆の振る舞いをすることを明らかにした。Hモードプラズマのトロイダル回転速度はFB設置後、顕著に増加した。
池田 佳隆; 飛田 健次; 濱松 清隆; 牛草 健吉; 内藤 磨; 木村 晴行
Nuclear Fusion, 36(6), p.759 - 767, 1996/00
被引用回数:20 パーセンタイル:56.88(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、水平面近傍の第1壁外周部の熱負荷測定から、トロイダル効果によるバナナドリフト損失を評価した。イオンサイクロトロン(ICRF)加熱、および、中性粒子(NBI)加熱時に、第1壁外周部に局所的な温度上昇を観測した。ICRF加熱時の熱負荷は、加熱電力の増加に伴い非線形的に増加し、密度の増加により低減した。一方、NBI加熱時の加熱電力当りの熱負荷は、ICRF加熱時に比べ大幅に小さいが、第1壁の熱負荷分布は、ほぼ同じ分布を示した。NBI加熱時の水平面近傍の第1壁外周部の熱負荷は、軌道効果を入れたモンテカルロ計算から求まるバナナドリフト損失で良く説明できた。またICRF加熱時の熱負荷の加熱電力、密度依存性は、フォッカプランク計算による高速イオンの生成量で良く説明できることを明らかにした。
飛田 健次; 谷 啓二; 草間 義紀; 西谷 健夫; 池田 佳隆; 閨谷 譲; S.V.Konovalov*; 菊池 満; 小出 芳彦; 濱松 清隆; et al.
Nuclear Fusion, 35(12), p.1585 - 1591, 1995/00
被引用回数:68 パーセンタイル:88.29(Physics, Fluids & Plasmas)高速イオンのリップル輸送のモデルを検証するための実験をJT-60Uで行ってきた。リップルによって引き起こされる高速イオンの損失を中性子発生量の時間変化及び、第一壁への熱負荷から評価した。全リップル損失量、リップル捕捉・バナナドリフトによる部分損失量について実験と計測予測を比較した結果、いずれの損失量に対しても両者は一致した。この結果はリップル損失を支配する輸送が既存理論の枠内で良く説明されることを意味する。高速イオンの損失によってもたらされるプラズマ回転等の副次的効果についても述べる。
飛田 健次; 谷 啓二; 西谷 健夫; 永島 圭介; 草間 義紀
Nuclear Fusion, 34(8), p.1097 - 1109, 1994/00
被引用回数:50 パーセンタイル:81.08(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、短パルス中性粒子ビーム入射後の中性子発生率の時間変化から、トロイダル磁場のリップルによる高速イオン損失を調べた。順方向通過粒子に対する拡散係数は約0m/sとなり、これは高速イオンの損失がないことを示す。一方、捕捉粒子の入射に対しては、リップル損失の特徴を示すパラメータ依存性が見られた。実験と軌道追跡モンテカルロ(OFMC)コードによる計算とを比較した結果、バナナドリフト損失の割合に依らず、OFMCは実験結果を良く説明することが明らかになった。以前JT-60Uで行なわれたリップル捕捉損失の結果を考慮すると、この結果は、OFMCコードがリップル捕捉損失だけでなくバナナドリフト損失も正しく評価していることを裏付ける。